世界の隅々まで見てみよう!個性派の陸旅倶楽部

㈱トラベルハーモニーの新ブランド『個性派の陸旅倶楽部』が徒然なるままにお届けする、アジア、中近東、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米、オセアニアなど世界各地のホットな情報やそれらにまつわるトピックのブログです。

寄稿文

マサイの村からの「風」便り 第三回(最終回)


■風に立つライオン

さだまさしさんの名曲で「風に立つライオン」をご存じですか?
この曲はさださんのファンクラブの投票でも長年上位に入るほどの名曲です。
恋人を日本に残し、ケニアで国際医療ボランティアとして働くうちに、大自然と患者の瞳の美しさに魅せられた40年前の実在の青年医師がモデルとなっています。その彼の元に、ある日彼女から結婚を知らせる手紙が届く。その彼女宛てに彼がケニアから出した返事の手紙―これが歌詞として歌われていますが、その中に盛り込まれていたアフリカの描写があまりにも素晴らしいのです。

「キリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット」
「南十字星、満天の星、そして天の川」
「闇の中ではじける彼等の祈りと激しいリズム」

学生時代にこの歌を初めて聞いた時、私はもの凄い衝撃を受けました。
その歌詞から目に浮かぶアフリカを自分の目で見て見たくて、私は21歳の時初めてケニアに降り立ちました。その後ひょんなことからケニアに根付くようになり、大好きな旅行の仕事をし、紆余曲折(笑)ありましたが、マサイの夫にも出会うことになりました。

そして一昨年この曲を元にさださんが同名の小説を書き、今度は大沢たかおさんの主演で映画化されることになり、間もなく3月に公開されます。大部分をケニアで撮影されたので、ケニアの大自然の魅力も楽しめる映画となっているのでは、と思います。

この機会に・・ということで、ケニアに来ずして素晴らしい歌と小説を書きあげたさださんが昨年11月ケニアに来られました。映画主演の大沢たかおさんと歌のモデルである柴田医師と共にです。
そして、この歌に影響を受けた日本人を訪問したいということで、何と私の村にも来てくださいました。

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初めてケニアに来て26年。さださんにお会いし、ケニアとの出会いをお話し出来て、原点に戻ったような気がしました。さださんはとっても暖かく、親しみやすい素敵な方でした。大沢さんはあまりにもイケメン過ぎて、眩しくて、まともに見ることが出来ないほどにオーラに包まれていました。今でも思い出すのはさださんの顔と大沢さんの靴です。もっとしっかり目に焼き付けておけば良かった・・・。

私も映画に負けないように今まで以上に魅力ある旅を作っていきたいです。
6月に企画しているケニアツアーでは歌に歌われている景色や動物はもちろん、青年医師も魅せられたであろうアフリカの人々との触れ合いも魅力です。私が嫁いだ村で、自然と共生するマサイの人々と大地を歩き、アフリカの心地よい風を感じてください。そして同時に今、伝統と開発とのはざまで彼らが直面している問題にも耳を傾け、アフリカを通して日本を、そして世界を考えるきっかけになる、そんな旅をお届けしたいと思います。

キリマンジャロ山

(おわり)

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マサイの村からの「風」便り 第二回


ケニアの魅力は広大なサバンナとそこに生息している野性の動物たちです。
誰もが知っている大型の野生動物を間近で見ることが出来るなんて、さすがアフリカ!です。ビッグファイブ(ライオン、象、バッファロー、サイ、ヒョウ)を全部見れたらラッキーと言われていますが、サイとヒョウを発見するのはかなり難しいです。
運が良ければチーターも見られます。シマウマやインパラ、ガゼル、キリンなどはもちろんです。鳥類も数えきれないほど豊富です。
その動物たちに出会うために、車を走らせてサファリドライブをします。
ドライブも良いのですが、私のもう一つのサファリのお勧めは、国立公園内のロッジでゆったりとした時の流れを楽しむこと。特に私のお勧めロッジはマサイマラ国立保護区一の設備、眺望、サービスを誇る人気のマラセレナロッジです。ケニアの風は爽やかでとても心地が良い。この風に当たりながら、遠くを歩く象を観察したり、プールサイドでのんびりする。それはそれは極上のリゾート気分なのです。

しかし、動物だけを見て帰るのでは勿体ない。美しい文化を持つマサイ族も魅力の一つです。私が嫁いだマサイの村は、野生動物の宝庫であるマサイマラ国立保護区に隣接しています。ケニアには40以上の異なる言語を話す民族がいますが、その中で最も有名なのはマサイ族かもしれません。その理由は、これだけ欧米の生活スタイルが浸透している現代ケニア社会において今でも独自の伝統文化、価値観を持って生きているからだと思います。

私は2003年12月マサイの成人式にあたるような儀式「エウノト」を見学に行き、今の夫オレナレイヨに出会い、結婚しました。マサイは自分たちの伝統や文化にとても誇りを持っていて、他人の文化に対しての尊敬の気持ちも大切にする人々です。私に対しても、マサイの文化に尊敬の気持ちさえあれば、それを実践出来なくても良い、と言ってくれました。マサイの生き方を強要するのではなく、日本人としての文化や生き方を尊重してくれているので、とても居心地良く旅行の仕事を続けながらマサイの一員になることが出来ています。

現在、マサイを取り巻く環境は、大きな社会変化にさらされています。周辺地域の開発や、人口増加などによって、彼らが生きる範囲は狭められていき、伝統的な生活を維持していくことが困難になってきました。本来、マサイの主食は牛乳で、1日5~6リットル飲めば、体が維持できると言います。しかし、干ばつや土地の減少により牛乳の量も減り、その結果代用食としてお米やトウモロコシを買って食べるようになってきました。将来的には牧畜生活自体が危ぶまれると予感する彼らは、学校を作り、子供たちに学校教育を与えることにもチャレンジしています。年長者を敬うというマサイにとって一番大切なものは守りながらも、時代に合わせた変化を遂げようと努力しています。私は、彼らの自然と共に生きる生活、美しい伝統文化、長老を敬う気持ちなど日本人が忘れてしまったことを日々学ばせてもらっています。

私はと言えば、水汲みや薪広い、乳搾りなどマサイの夫人らしいことは出来ませんが、結婚してすぐの頃何も出来なくて落ち込んでいる私に対して、第一夫人のアンゴイが「自分にしか出来ないことを探せばいいじゃないですか」と言いました。
その時から私は、マサイと同じことが出来なくても自分の得意な分野で地域に貢献しようと思い、彼らが望んでいる学校の建設・運営への参加、そしてマサイの文化を知ってもらえる村訪問プログラムをはじめようと決めました。
マサイの人々の伝統から学ぶことはとても大きいです。人間が、厳しい自然と向き合って生きていますから、そこには、自然を良く知り、自然を破壊するのではなく「共生していく」ための知恵がとても大切です。是非日本の皆様にも自然の中で生きる彼らの知恵をご紹介したいと思い、始めた様々なプログラムです。

まずは、マサイと一緒にウォーキングです。自然と共存しているマサイの知恵を学んでもらいます。彼らは自然の中にあるものをうまく利用しながら生活しています。歯ブラシになる木、トイレットペーパー代わりになる葉っぱなど自然が与えてくれます。

ウォーキング

ウォーキングの途中では運が良ければシマウマやキリンに遭遇することも。時にはフンコロガシのお仕事に見とれたり、蟻の行列を観察したりで時が経つのもあっという間です。
お昼ご飯は家畜のヤギをマサイ式のやり方で屠殺、解体し、バーベキューにします。

バーベキュー (1) (2)

あとは、マサイの伝統集落を訪問し、家の作り方や、暮らしぶりなどを見学。マサイのお母さんたちが歓迎の歌を歌ってくれます。

ママたちと (1)

弓矢の使い方も体験してみてください。

弓矢

ダイナミックな自然と動物たちの命のドラマ、そしてマサイの美しい文化と社会変化への挑戦。ケニアで学ぶ多くのことは、きっと日本の未来造りにも役立つヒントがあるような気がします。

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マサイの村からの「風」便り 第一回


ケニアの大地に暮らすマサイ族に第二夫人として嫁いだ永松真紀さん。
ケニアとの出会いからマサイの暮らしまでをつぶさにまとめた『私の夫はマサイ戦士』の著者として知られているだけでなく、現在でも添乗員、また、ケニアの現地ガイドとしても第一線でご活躍されている、正に「ケニアの第一人者」です。
個性派の陸旅倶楽部ではこの度、永松真紀さんに添乗員及び現地ガイドを一手にお願いしたツアーを設定しました。

これを記念して、本日から3週、3回に渡って、ケニアの今、マサイの今を永松さんに直接、お書きいただくことになりました。
マサイの「生」の姿を、このブログを通じて、知っていただければと思います。お楽しみに!

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●マサイ村の環境について●


添乗員であり、ケニアのガイドであり、マサイの第二夫人の永松真紀です。

村で (1)

爽やかな気候が気に入り、添乗員になって27年、ケニアに移住して早20年。マサイの夫と結婚して10年が過ぎましたが、現在もケニアを拠点としながら、日本や世界を駆け回る仕事を続けています。


マサイ族ってとっても有名な民族ですが、どんな民族だとみなさんは理解していますか?

「ジャンプしている」、「赤い布」、「ライオンと戦う」、「目が良い」などと聞いたことがある方もいらっしゃるようですが、マサイ族とはその広大なサバンナで牛、ヤギ、羊を財産として生きる牧畜民族で、人生の節目に行われる通過儀礼を尊重して生きている人々です。別にジャンプをしなくても、赤い布をまとってなくても良いんです。

家畜と共に生きて、節目の儀式を行いながら人生の階段を上っていくことがマサイにとって大切なことです。


広大なサバンナで生きているマサイですが、私の嫁いだ村は、ケニアで一番多くの動物が生息していると言われる「マサイマラ国立保護区」の西にあります。国立保護区と言っても柵があるわけでもないので、動物にとっては保護区内外の区別はありません。村周辺にも野生動物がいっぱいです。

村の自然環境は木も多い地域なので、乾季になっても完全にカラカラにならない恵まれた地域です。なので、乾季には木の水分を求めて象もやってきます。


象の足跡

「うらやまし~」という声も聞こえそうですが、サファリカーから見る非常に優しい印象の象とは違い、車に囲まれていない人間と出会ってしまったら話は違います。

大変な事故になる場合もあるので、象も人間も出来るだけ出会いを避け、象は人間が寝静まった夜中に木の水分を求めてやってきます。朝起きたら、大きな日陰を作っていた大木がなくなっていたり・・・なんてこともあるんですよ。

村周辺で歩いているとキリンやインパラ、シマウマに出会うこともしばしば。


キリン

これらの動物は人間には危害を加えない、とても穏やかな動物たちです。

 

マサイ族の男性の仕事は牧畜、女性は家事が仕事です。


牛と共に

村には水道もガスも電気もありませんから、女性の水汲みは大変な重労働です。


水汲み

街にあるものは何も無い村ですが、逆に生活に必要なものは全部自然の中にあります。

トイレットペーパーの代わりになる柔らかい葉っぱ、歯ブラシ代わりになる殺菌効果の強い木、マラリアだって治ってしまう薬草など、自然に中にあるものを生活に取り入れて昔々から生きてます。物質に振り回されることなく生きている彼らのスタイルを見ていると、いかに私たちの現代の生活が無駄に溢れているか、思い知らされることがあります。

私たちとは生活スタイルが異なりますが、年配者を敬い文化を大切にして生きている姿は、少し前の日本を思い出させてくれます。


(つづく)


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