世界の隅々まで見てみよう!個性派の陸旅倶楽部

㈱トラベルハーモニーの新ブランド『個性派の陸旅倶楽部』が徒然なるままにお届けする、アジア、中近東、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米、オセアニアなど世界各地のホットな情報やそれらにまつわるトピックのブログです。

ヨルダン

添乗員現地最新レポート ヨルダン編⑲


ヨルダン北部ジェラシュは、首都アンマンからは北へ48kmの場所に位置する標高600mの丘の上にあります。

ジェラシュは、古代にはゲサラと呼ばれたデカポリス(十都市連盟)のうちの一つであり、現在も古代ローマ時代の都市遺跡が保存状態よく残っています。その遺跡の大きさや発掘の大規模さ、保存状態の良さから「中東のポンペイ」とも呼ばれています。

デクマノス

デクマノス2

デクマノス3

フォーラム2

フォーラム跡

競馬場

劇場跡

商店の跡

商店床モザイク

噴水跡

噴水跡2

青銅器時代(紀元前3200年~紀元前1200年)には集落があったことが分かっていて、ヘレニズム期にはセレウコス朝シリアやプトレマイオス朝エジプトの争奪の地でした。この時期にギリシャ風の建物が多く建てられ、アンティオキアと名付けられた町の一つでした。紀元前63年、古代ローマにより征服された後、シリア属州の一部となり、近隣の都市とデカポリス(十都市連盟)を組みました。ローマ帝国のもとで治安や平和が保たれたことにより、人々は経済活動や公共施設の建設に時間や労力を割くことができ、交易が発達して都市基盤が整ったとされます。

ハドリアヌス帝は、129年から130年にかけてゲサラを視察巡幸しています。今見られる凱旋門は、この際の訪問を記念して建てられました。ラテン語による碑文には、皇帝を護衛する騎馬兵がこの地で越冬した間に、神々への奉納を行ったことが記録されています。

凱旋門

614年にササン朝ペルシャの侵入によりゲサラは急激に衰退しましたが、イスラム帝国による征服やウマイヤ朝の支配下でも都市活動は活発に行われていました。その後、746年に大きな地震が町を襲い、以降、ジェラシュは再建されませんでした。1920年代になると、現在まで続いている遺跡の発掘が始まり、一部土中に埋もれていた都市が姿を現わしたのでした。

(おわり)

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本日で、添乗員現地最新レポートのヨルダン編は終了です。お読みいただき、ありがとうございました。
次回の添乗員現地最新レポートは、2月の初旬より、南米のアルゼンチン、チリ、ボリビアへのツアーをレポートいたします。お楽しみに!

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添乗員現地最新レポート ヨルダン編⑱


サルトはヨルダン中西部の中心都市。
古代から農業で栄えた町は、アンマンとエルサレムとを結ぶ街道の半ばにあります。

町中3

町中

町中2

町中4

町中5

町中6

サルトの歴史は古く、前期青銅器時代にまで遡ります。一時期はトランスヨルダンの首都としての機能をはたしていたこともあります。
ローマ帝国が支配していた時期、サルトはラテン語で森林を意味するサルトゥスの名で知られており、後の東ローマ帝国時代には、主教が置かれていました。この時期、サルトゥスはヨルダン川東岸の中心都市となっていました。モンゴル帝国の襲来によって破壊されたサルトは、マムルーク朝時代に再建されます。その後、オスマン帝国による支配の後には再度、ヨルダン川東岸の中心都市となります。

全盛期は19世紀末期、ヨルダン川西岸のナブルスの貿易商人たちが交易路をヨルダン川の東へ延長してサルトに至った時期です。自然の美しさや水の豊かさに恵まれていたサルトには、新しい住民が流入して急速に拡大しました。その頃、近郊で切り出された山吹色の石灰岩を使って建てられたナブルス風の家々が建ち並ぶようになり、いまだに19世紀末の伝統建築が多数残っています。

ここで紹介する有名な商人アブ・ジェーベルの邸宅は、JICAの整備により現在はエコ・ミュージアムとなっています。

アブ・ジェーベルの邸宅

jica パネル

JICAは従来の博物館(建物)に資料を収集し、来訪者がそれを見学するのではなく、町中の現地保存した資料を来訪者が現地へ見に行くという、エコ・ミュージアムの概念に基づいて協力しました。

博物館内 石 

博物館2 衣装

博物館3 

(つづく)

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添乗員現地最新レポート ヨルダン編⑰


ヨルダン北部の都市にアルジュンはあります。
首都アンマンからは北西へ約76kmの場所に位置する丘の多い町です。ここでは、12世紀に建てられたアジュルン城が有名です。

アジュルン町 城から

アジュルン城はかつて、修道院のあった丘の上に建てられています。

外観

1184年、イスラムの英雄サラディーンの部下により、ダマスカスとエジプトを結ぶ道をカラクの十字軍による攻撃から守るために建てられました。その後、マムルーク朝の時代に増築されましたが、1260年にモンゴル帝国軍によって陥落しました。

城の周囲を囲むように堀の跡が残り、現在の入口にはかつて、跳ね橋が架かっていました。内部は3階建て~5階建ての構造になっており、各部屋の床面積は広く、当時多くの兵士がいたことが分かります。

内部 回廊

内部 部屋

内部

内部2

内部3

ここは修道院跡に建てられたため、一部、床にモザイクが見られるほか、雨水を利用した水利システムも見ることができます。

モザイク跡

内部の博物館には、アジュルンで発掘された紀元前に遡る土器や壺の展示されており、また、全盛期に活躍した投石器の石玉が今も積み上げられています。

当時、伝書鳩を利用してダマスカスからアジュルン城、カラク城、そしてエジプトへとメッセージを伝達していた記録も残っています。

今回のヨルダン探訪では北西部アジュルンに1泊し、前述のウンム・カイス、タバカット・ファハル、そして、アジュルン城を訪ねました。

(つづく)

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添乗員現地最新レポート ヨルダン編⑯


ヨルダン北西部の村にタバカット・ファハル遺跡はあります。

遺跡

この付近は肥沃な農業地帯として知られており、主に果実、小麦、オリーブなどを栽培しています。

穀倉地帯

穀倉地帯2

穀倉地帯3

イスラエルと共有するヨルダン川の水を利用した感慨水路が見られ、村の市場も活気に溢れていました。

町中

町中2

砂漠地帯がほとんどを占めるヨルダンで唯一、緑豊かな土地が広がる場所と言えるでしょう。ここでの農業従事者は18万人に上ります。

この地に関する記述では、エジプト古王国時代よりカナン人交易が行われ、新約聖書に登場するデカポリス(十都市連盟)の一つペラとして栄えたとあります。8世紀に起きた地震で衰退しました。現在も、劇場や教会の遺構が見られます。

遺跡2

遺跡3

遺跡入り口ペラの文字

ヨルダンの多様な自然に驚かされるとともに、北西部は昔から自然環境に恵まれた、戦略上も重要な土地だったことがよく分かりました。

(つづく)

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添乗員現地最新レポート ヨルダン編⑮


ウンム・カイスはヨルダン北西部の町、イスラエルとの国境近くで、ゴラン高原とガリラヤ湖を望む丘の上に位置しています。

ゴラン高原 遠望

そこには、古代ギリシャ、ローマ時代の都市遺跡が残っており、新約聖書に登場するデカポリス(十都市連盟)の一つ、ガダラがあった場所とされています。

PC120450

マタイの福音書は「ガダラの豚」の逸話で有名です。
主イエスがガダラ人の地に着き、その地の墓場にレギオンという悪霊に憑かれて凶暴になった人が住んでいました。悪霊は、イエス・キリストを神の子として認めて、自分に底知れぬところへ行くように命じないように懇願しました。そこで、レギオンの体を出て、豚の群れに乗り移る許可をイエスに求め、イエスもそれを許可したので、悪霊は豚の群れに移り、豚の群れは崖を下ってガリラヤ湖で溺れ死にました。この事件がガダラ人の地に広まり、イエスはガダラ人の地から追い出されたと記されています。

ウンム・カイスは3,000人を収容した円形劇場やビザンチン時代の教会、浴場などの遺構があります。

劇場

バシリカ跡

教会跡

聖堂跡

柱土台

列柱通り

ウンム・カイスはシリアとの国境にも近いため、シリア内戦の影響による飛び火も否めませんが、私たちが訪れたときは金曜日(現地では休日にあたる日)ということもあって、家族連れなどで賑わっていました。

(つづく)

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